パーキンソン病の専門医坪井教授の連載です。

福岡パーキンソン病診療センター

Fukuoka University Hospital Parkinson Disease Care Center

福岡大学医学部 福岡大学医学部 脳神経内科

ノートパーキンソン辞典・お知らせ

パーキンソン病はまれでない、しかし怖くない

連載1.パーキンソン病はまれな病気?

パーキンソン病という言葉は聞いたことはあるけどどのくらいの患者さんがいるのでしょうか?恐い病気なのでしょうか?また何が原因なのでしょうか?パーキンソン病と加齢現象とは違うのですか?どんな治療が必要なのでしょうか?
このような疑問がよく脳神経内科外来で患者さんやご家族から聞かれます。現在日本には推定で約20万人の患者さんがいて、特に65歳以上の100人にひとりはパーキンソン病になります。つまりこの病気が決してまれではないことがわかります。
日本では人口10万人に対して約160人の有病率があり、男女比では女性に多い傾向があります。また年齢が上がるにしたがって有病率は高くなりますが80歳以上で新たに発症する場合もあります。海外のデータをみると、有病率は日本の2倍程度あり、かつ男性に多いという逆転現象がみられます。ではどうして日本人のパーキンソン病患者が少なく、海外で男性が多いのに日本では女性が多いのでしょうか?これに対する明確な回答はありませんが、この疾患には食事や嗜好などの環境因子がその発症に影響を与えています。おそらく日本の食生活を含めた環境はパーキンソンの発症を抑制している可能性がある、と考えてもいいかもしれません。私たちは初めて日本食がパーキンソン病の発症を抑制している可能性があることを報告しています。また一般的に女性よりも男性の方が環境因子の影響を受けやすいので、男女比の逆転現象もそれで説明ができます。
次回は環境因子に関してもう少し詳しく説明します。