DBS療法の治療の流れ

福岡パーキンソン病診療センター

Fukuoka University Hospital Parkinson Disease Care Center

福岡大学医学部 福岡大学医学部 脳神経内科

ノートパーキンソン辞典・お知らせ

治療の流れ

外来にて本治療の説明

1度⽬の⼊院で、DBS療法の適応判断の検査を⾏います。
頭部MRI検査、嚥下評価、認知機能評価、ドパミンチャレンジテストを⾏い、結果説明を⾏い、⼀旦退院していただきます。

外来検査

治療導⼊適応と判断されれば、当院脳神経外科へ⼊院していただき、⼿術を⾏います。まずは局所⿇酔(場合によっては全⾝⿇酔)で頭部への電極の植え込みを⾏い(2時間程度)、その後は全⾝⿇酔下で胸部の筋層内にパルスジェネレーターを埋め込みます(1時間半程度)。

問診

⼿術1週間後に神経内科へ転科し、1〜2週間程度かけて電気刺激の調整を⾏い、退院となります。



ドパチャレンジテスト:パーキンソン病治療薬を、一旦テスト前夜よりすべて中止し、翌朝に薬の効果がなくなった状態を評価します。そしてパーキンソン病治療薬を内服し、よい状態になった際にまた評価します。悪い状態から良い状態までどれだけよくなったかを評価して、薬に対する反応性を評価するテストです。

よくあるご質問

Q本療法を開始して、⽇常⽣活は制限されますか?
A特にございません。
ただ⾼圧電流が流れている場所や頭部MRI装置で影響を受けます。
MRI検査につきましては当院で検査は可能ですが、他院でMRI検査をご希望される場合は、主治医にご相談ください。


Q本治療を導⼊したが、効果が感じられない等で治療を中断したい場合は?
A効果が感じられない原因はさまざまです。まずは⼿術の効果が得られやすい状況だったか、⼿術が適切に⾏われていたかなどを確認します。

患者さんへ

パーキンソン病自体は脳神経内科で診療する病気ですが、本療法は、下記のように院内でも多くの職種がかかわる治療となります。

脳神経外科の医師:⼿術および術前後の評価と管理
歯科口腔外科医師:術前術後の嚥下機能と口腔内衛生状態の評価
看護師:患者さんの背景の把握、入院中の看護、地域包括ケアへの介入、他病棟連携の仲介
リハビリ技師:運動機能、日常生活動作・嚥下・言語機能評価・訓練、リハビリテーションプラン作成
薬剤師:内服薬剤の確認、患者・家族への内服指導
臨床⼼理⼠:脳機能と精神状態の評価
栄養部:嚥下・栄養状態に合わせた食事内容・食形態の提案
臨床工学センター技師:機械の管理のサポート

ドクター

PD診療センターのメンバーが⼀丸となり、患者さんのサポートをさせていただくとともに、関連の医療機関との協⼒体制のもと、地域ぐるみで脳深部刺激療法を導⼊されたパーキンソン病患者さんの⽣活を⽀えていくことが、私たちの⽬標です。パーキンソン病に対するDBS療法を受けた⽅々の経験談はこちらのホームページでご覧になれます。

本療法にご興味がある方は外来主治医もしくは当院脳神経内科外来までご相談いただければと思います。外来にて、本療法の適応がある可能性があると判断された場合は、⼊院でさらなる精査を⾏います。