パーキンソン病の治療方法と治療薬

福岡パーキンソン病診療センター

Fukuoka University Hospital Parkinson Disease Care Center

福岡大学医学部 福岡大学医学部 脳神経内科

ノートパーキンソン辞典・お知らせ

パーキンソン病の治療

内服療法とリハビリテーションが基本になります。

内服薬については、効果の強いレボドパ製剤またはドパミンアゴニスト製剤で開始することが多く、必要に応じて薬剤の増量や補助薬の追加を行います。

レボドパ製剤を長期服用すると、ウェアリングオフ(一日の中で薬効が切れる時間帯がある)やジスキネジア(意思に反して手足が勝手に動く)などの運動合併症がみられる場合があります。運動合併症は、内服薬の調整で対応しますが、それでも難しい場合の治療として、デバイス補助療法があります。日本で使用可能なデバイス補助療法としては、脳深部刺激療法(DBS)とレボドパ・カルビドパ配合経腸用液療法(LCIG)があります。

リハビリテーションとしては、アメリカで考案されたLSVT®が有名ですが、ヨガ、太極拳、ダンスなどが有効で、散歩やストレッチなど普段できるリハビリテーションを並行して行う必要があります。

パーキンソン病の治療薬

種類一般名


レボドパ製剤レボドパ・カルビドパ配合剤、レボドパ・ベンゼラシド配合剤、レボドパ・カルビドパ・エンタカポン配合剤、レボドパ・カルビドパ配合経腸用液
ドパミンアゴニスト製剤ブロモクリプチン、ペルゴリド、カベルゴリン、プラミペキソール、ロピニロール、タリペキソール、ロチゴチン


MAO-B阻害剤セレギリン、ラサギリン
COMT阻害剤エンタカポン
ドパミン賦活薬ゾニサミド
抗コリン薬トリヘキシフェニジル
ドパミン放出促進剤 アマンタジン
ノルアドレナリン作動薬ドロキシドパ
アデノシンA2A阻害薬 イストラデフィリン

 

デバイス補助療法
脳深部刺激療法(DBS)脳の深部に電極を留置し、電極からの電気刺激により、その部位の神経活動を抑えて、症状を改善させる。
レボドパ・カルビドパ配合経腸用液療法(LCIG)経皮内視鏡的胃瘻造設術により留置した空腸チューブを介して近位空腸にレボドパ製剤を持続的に注入する。

 

 

リハビリテーション
LSVT® LOUD / LSVT® BIGアメリカで考案された、パーキンソン病患者さんに特化したリハビリテーション訓練法
LSVT® LOUD:声を大きくする訓練
LSVT® BIG:動きを大きくする訓練
その他の運動療法ヨガ、太極拳、ダンス、散歩、ストレッチなど